監督:ゴア・ヴァービンスキー
 ブラッカイマー製作のドル箱シリーズ第2弾。

 前作で敷いたレールの上を大爆走、そうこれが続編オブ・ザ・続編。
前作では音楽監修みたいな位置だったジマーを引っ張り出して、ジャンジャカのせて
小池和夫ばりのキャラクター原論のみで突っ走る絵に描いたようなブロック・バスター。

 もう何がって、続々と前作キャラと動員してくんだけど、まあこちとら前作のイメージ
といえばキーラの服が濡れて透けてた事しか覚えてないわけで、バーンと登場されても
誰だこのオッサンは、とか思うわけですよ。キーラのがんばって作った谷間のほうが
おおっとか感動してしまうわけですよ。

 ともあれ、前回と同じことを書く気がするんだけど、特筆すべきはヴァービンスキーの
映像感覚。主にカットワークとテンポがやはり秀逸で、飽きるタイミングを与えない
流れというのは見事。あと前作よりも確実に予算が出てるせいかプロダクションやら
コメディのギミックやらがかなり凝っててそこら辺でも目を飽きさせないようにはしてある
ので上映時間2時間30分は前作と同じであんま苦にならない。

 今回、もう一個素晴らしかったのはデイヴィ・ジョーンズ軍団こと海洋フリークス大集合。
これの質感(主に海の生物の生理的に気持ち悪い部分をふんだんに取り入れた
ざわざわするデザイン)がもう最高で、なんかそこら辺でだいぶ涼しくなれた。
でも終盤のカリブの島でのアクション、遠景のショットはなぜかヒーロー特撮感が。
イカの動きもなかなか良い。ラストはちょっとグリード感溢れてたけど。

 機能するべき人選をきっちり機能させて、過不足なく当たり障りもない感じは前作と
まったく同じ。ただきっちりとボリュームアップをした上でシリーズ・ファンというもの
生み出す上での要素もきっちりと埋め込んだ、完全無欠の商業映画。
ここまできっちりと作られてしまうと、その状態そのものから崇高ささえ感じる。

(2006 08/08)

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