かなりひねくれたアプローチを、抜かりない特撮の中で行う。かなり珍しい部類の モンスター・パニック作品で、ここまで意図して変な感じに仕上がっているのがなにか こうもどかしいようなでもすごいような、そういったちょっと消化不良気味ではあるの だけれども、グエムルそのものの造形から一挙一動が素晴らしいのでひとまず それを掲げて絶賛は出来るなあ、と。 そうな、転ぶのとかいいよなあ。 序盤の河川敷でこんにちわグエムルさんは素晴らしくて、「なんか向こうにいる」 的なシークエンスからじゃぼじゃぼ来て上陸するあたりの繋がりが、 なんともリアリティ溢れる地味さで、水面からガバーとかやっちゃわないあたりが 終始この映画の感覚的な部分で一貫してるなあ、と今思えば。 そのつかみの大爆走が終わったあとは、ただひたすらボンクラ家族の おとぼけコメディなのですが、まあここら辺なんつか韓国映画独特のちょっとくどい ぐらいの間の取りかたでダレそうなんだけれども、要所要所でグエムルパートが あったりもするのでさくさくと運んでいくというか。 いや実際話がなかなか進まないんでちょっともどかしい感はあるんだけれども、 グエムルさんが出てくればだいたいまあいいかとか。 話の展開てのが一つやっぱり定石ではなくて、予想を裏切られる展開がぽつぽつと カタルシスに欠ける形で起こるんで、そのヤンガリーを期待した人(いませんが)には ちょっと違和感があるかもしれない。 その、テーマが明確でモンスターはそれの為の手段なんだけれども、 そこに一切の手を抜かなかった(ないしはwetaにおかしい人が居る)結果、 かなり趣深いものが出来た、な感じがした。 (2006 09/10) |