監督:ブライアン・シンガー
 18年ぶりの劇場版作品。ストーリーは2作目の続きという設定。
新カル・エル役に抜擢されたのはブランドン・ラウス。

 2億7千万ドルかけた寝取られ映画というブライアン・シンガーならではのトリッキーな
仕掛けというおおまかな解釈。いやだって、戻ってきたらヒロインに別の男との子供が
居るわけですよ、このせつなさにキュンと来るのがいわゆる寝取られマニアで
マイノリティの悲哀を度々描く同監督も来るとこまで来たとか。いやすいません嘘です。
たぶん。

 それでもブライアン・シンガーなわけで印象的にはやはり終始トリッキー。
構成の部分はもちろんながら、カメラワーク、飛行シーンとか、カメラからフレームアウト
したと思いきや別の角度からフレームインしてくるとかわりと最高。

 そういったX−MENの時よりもちょっと羽を伸ばした感がある変態映画で、
まあその中でならケヴィン・スペイシーが飛ばしすぎても浮くことなく収まるという
相対速度ゼロの理論。ただ観測者もそれなりに飛ばした人じゃないとダメなんだけどね。

 とりあえず悩んだ挙句もラストは力技で解決するからそこら辺で逆に綺麗に収まった感も。
スペクタクル映像もどっかで見たような安っぽい映像ではなくてかなりの出来。
それのおかげもあって世界の危機的なスケール感は舞台劇のような人数での
芝居なのになかなか良く出ていた感はあった。

 まあルーサーの野望がなんか地味なのは置いておこう。

各キャラクタよく機能していて、2時間30分の長尺もあんまり気にならなく
仕切りなおしの第1話としては文句のない出来。

 ただしやっぱり油断するとタイツだから気をつけろ。
あと胸の部分のマーク触りたがるジェイソン坊の演出てのが素晴らしいと思った。
あれは触りたい衝動に駆られる素材で出来ている。

(2006 09/10)

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