監督:宮崎吾郎
 アーシュラ・K・ル=グウィン原作のファンタジーを映画化。 

 なんせ暗いんで、ここ最近の駿先生のかわいい説教映画を期待して行くと直球の
メッセージを良くわからない理屈でねじ込まれるわけで、間違った期待をして行った
人が憎悪に駆られるのもわからなくもないこともない。原作者でさえそうなんだから。

 ただ前述の通りどんぐり共和国の新商品展開を完全に無視したストロングスタイルでの
このチャレンジ、決して悪くはなく個人的にはトラウマにまでなってる『ユニコ 魔法の島へ』
あたりのダークネスさを、特に終盤のクモがなんか突然おかしくなりだすあたりに感じて
ちょっとドキドキした。「死んだ、死んだ」と小声で言うとこ最高。

 なんせ序盤から人売りやら強姦未遂やらで、人の闇の欠片を全国東宝系の夏休み
映画でできる限界ギリギリで見せたのもなかなか素敵だとか思うのですが。

 まもろもろの外的要因を引っこ抜いて語ると、
楽しく愉快ではないんだけれど、わりと普通のファンタジー単館系。
テルーが歌うところはもうここまで耳についてると笑ってしまうんではないかと
思ったんだけど、意外とグッときた。そん後のアレンのリアクションも良い。
そこら辺のボーイ・ミーツ・ガールの部分がたぶんメインで、も少しそこに
重点置ければ切なくて後感が良かったのに、と思う。

(2006 09/13)

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