これは一見シャマランが「映画評論家の言う事とか聞いて映画を解釈するとロクな 事にゃなりませんよ!ついでに映画評論家は死ね!」という日ごろの鬱憤を フィルムに念写しているように見えますが、わりとその通りで、間違った解釈が 「ストーリー」を殺すわけで、そうですよね監督はいつもきっちりコメディをやってるのに オチが弱いとか言われて大変ですよね、とかそういう同情も一つ二つ。 さておきその「ストーリー」をみんなで守ろうぜ、というのがおおまかな流れで、 ここんとこの入れ子の構図は深いのかどうかも一つピンとこないんだけれども やはりいつものホラーとコメディの境界を行く微妙なテンションで終始行くもんだから この雰囲気が好きな人にとってはスクラントさんが突然ウガーとか出てくるとこで おおむね大爆笑。和むよスクラントさん。 中盤以降、協力者を探すくだりが非常に少年マンガ的でおもろいのだけれども この個々の「ガーディアン」「ヒーラー」「シンボリスト」などの能力がも少しがっちり 機能してたらラストはも少しカタルシスがあったのではないかと。 そのいつものごとく大きく投げたラストに『サイン』ほどのイカすすり替えもなく、 『アンブレイカブル』 ほどの唖然性もないんで、そこら辺をちょっと期待してしまうのは もう、ちょっと違うのかなあ、とも。前作あたりから。 まあでもクライマックスのデウス・エクス・マキナの登場の仕方がバンザイもの なんでわりとそこら辺だけで大満足。あまりに地味なあたりが。 何にせよ確固たるシャマラン感だけがスクリーンから溢れんばかりに 漂ってる以外の部分で掴み所があんまり見当たらないので、もう完全に一般向け ではないなあ、とは思った。 (2006 10/27) |