なにがすごいのかと言えば、とってもとっても頭の悪いプロットを何の迷いもなく スタッフ、キャスト一丸になって撮りきったところにあるんではないかと。 一つ悪例を挙げると『スパイダー・パニック』なんだけれども、これに関しては B級っぽい映画を作ろう、という歪んだ半笑いがスクリーンから沸々感じられて 気持ち悪かった。 それとはまったく逆のアプローチ。飛行機にヘビがたくさんいたら怖い!というのを エリス監督は得意のジェットコースター・ホラーとして仕上げてしまっております。 なので後感は一見「普通」なのですよ!「ヘビが飛行機にいっぱい出る映画」の後感が 「普通に面白い」という事がなにか前代未聞な感があるのですよ。 ほらこういうのってやっぱりB級だからなー、みたいな諦観があるじゃないですか。 そうじゃなくて、きっちりとオチまで投げることなく作られてるというか。 いやもう根本的に要人の暗殺にヘビを使うところとか、ラストの大作戦だとか、 どう考えても絶対におかしいんですが、さも「海岸でサメに襲われたら大変」とか 「山でクマに襲われたら大変」というのと同じニュアンスで「飛行機でヘビがいっぱい 出たら大変」を撮りきってるとこ、それがすごい、と伝えたいんですが伝わるでしょうか? さておき改めてヘビの動きって生理的にゾクゾクしてステキだなあという部分に 感動したり、死亡フラグっぽい人が死ななかったりとなかなか色々見せるんですが 基本的には普通のモンスター・パニックなんじゃないかと思いました。 脚本はおおまかですがその他が色々丁寧に作られたヘビ映画です。 (2006 10/27) |