スピ先生(たぶん)思ったわさ。"ああ、そうだマイケル・べイだマイケル・ベイ。 俺と違って痛みのない大量虐殺を描かせればハリウッド屈指の監督。 そういえばなんだっけ? ウチの会社、パラマウントに買収されるようになった一因のアレ、 「なんとか島」。あれの貸しがあるから割と思うように動くっしょ"と(たぶん) 念頭には隕石よりも真珠湾よりも『バッドボーイズ2バッド』があったのではないかと。 そんな感じで開巻いきなり舞台はカタール、ヘリで移動する部隊の皆さんが これでもかという死亡フラグトークを展開させるとてもわかりやすいオープニング。 そんでいきなヘリから変形したブラックアウトが大暴れ。 閃光、一つ間を置いて爆発とかもう最高。 ただこのシークエンスが全編に渡ってもっとも怪獣映画感溢れるシークエンスで そういった宇宙戦争を期待してる人はここで堪能しとくべし。 さて話はメインラインに移って、シャイア・ラブーフ演じるサムとバンブルビーの 海底鬼岩城ばりの友情物語&ギークがジョッグスから彼女を寝取る、 童貞の夢をせめて銀幕の中でだけでも、という非常に周到なマーケティングによる展開。 (劇中に『40歳の童貞男』が出てくるあたりがややメタ構造で 「こういう映画をこう然りとやっている」という自虐もやや垣間見えるんだけど) ここら辺からサイバトロン戦士がサム家前でコントを繰り広げる流れは悪くなくて、 普段突っ込みどころとして消化されてしまっているマイケル・ベイのコントの才能が 地味に反映されてる点は重要。 でまあ登場したコンボイ司令官の朴訥加減が加速気味で、サムを助ける時には さんざん暴挙を働いたくせにバンブルビーが捕まると「人間を傷つけずに 取り戻すのは難しい」だとか、メガネ拾ってキューブの元に向かうまでが どう考えても遅すぎる(おそらくかなりの安全運転)だとか、ラストで「どうしようも なくなったらそれ胸に放り込むんだ!」→即効ボコボコで「早くここに!」 、の流れとか、 戦い終わって「ジャズは救えなかったけどな(笑)」と両手に半分づつとか コンボイのコンボイたる適当さが非常によく単時間で表現出来てて唸りました。 終盤の市街戦の出来はもう予告やらなんやらで断片的には見てたのだけれども 本当に秀逸で、長年脳内で夢見てきた「ロボットアニメを実写でやったら」が 目前で展開されているのが不思議で仕方ない、という所感でもう一度見ないと この幸福は享受できないんではないかという今現在。 あとジョン・ボイト、ジョン・タトゥーロ、アンソニー・アンダーソンあたりは 面構え的に完璧なので是非そのまま続投して欲しいキャスティング。 (2006 08/10) |