ファースト・パーソン・モンスタームービーとして完璧な出来でもうバンザイ。 きちんとストーリーラインがあって、それが"怪獣映画"を見せる為の流れを やや強引ながらもきっちりともっていてまずそれに唸った。 全景を見せる為にはそりゃそういう方法しかないよな、とか。 ブレアウィッチと圧倒的に違うのは意図されたアマチュア・カメラワークで 許容範囲内の手持ち感とライティングの妙、おかげで気にせず画面内で 起こっている大惨事に集中できる。わかっていながらも脱落者が出る場面は なかなかショッキングで、一歩引かずに作品に感情移入した上で揺さぶられるというか。 序盤のつまんないやりとりが地味に生きてくるあたりとか、あとはカメラ持ってる人含めて キャラクターの配置とか、そこら辺周到なストーリー理論が見える気がする。 クローバーフィールドさん(仮)に関しては序盤の徹底的なチラリズムが良い塩梅。 「見えた」瞬間の興奮たるや、体中から煙噴出してキャーとか言いたくなる勢い。 造形よりも「見せ方」というの最大の武器にして、あとは素敵な音が鳴っているので なんだかとっても幸せな気分に。 個人的に艦載機はいらないんですけど、外人はあれがないとダメなんですかね。 エメゴジん時といい。確かにサプライズの小回りは効くんだけれども。 さすがにEDロールだけは普通にここは勘弁な的で、お詫びの意味合いも込めて(たぶん) 似非伊福部マーチなのはやや好感度高かった。 映画の作りとして意図がきっちりしてて揺らぎもない、もちろん奈津子さんの 字幕がより混乱を招く事もすべて良い方向に働いていて、ひとつのベクトルとして 怪獣映画の金字塔と言っても遜色ない良い映画。 (2008 04/11) |