そこまで大きなベクトルを持ってるわけではないんだけれども、終始きっちりと意図 されてる感が心地よく、まだトミー・リー色というのは良くわからないのだけれど 一つ何か確信的な作家性を持って臨んでるのはよく伝わってくる。 おおまかに2パートにわけれるんだけれども、前半の構成が巧妙で 時間軸を無視してシークエンスをバラバラに展開して進めていく豪快な流れ。 でもこれが特に説明なくても、一つ一つ見ていく内に理解できる仕様なのが ギジェルモ・アリアガ脚本の魅せる部分。 後半パートは主にロードムービー、ここはけっこう見せ倒すシークエンス満載で 一つ一つの流れを鮮明に思い出せるぐらい印象深い。全てを語るわけではなく、 全てを見せるわけでもない、映画として要る部分を確実に選択した演出というのが あって、これがあまりにも心地よい。それに尽きる。終盤わりと堪らない。 プロットだけならなんでもない、こういうインディペンデント系だったらありそうな 話ではあるのだけれども、映画になる段階で化けた感がある。 (2006 05/12) |