監督:ウォルフガング・ペーターゼン
 1972年の『ポセイドン・アドベンチャー』のリメイク。

 リメイク元を未見なので比較云々は出来ないんだけど、一つだけ確実に言えるのは
この映画、切りすぎな気がする。ただ『パーフェクト・ストーム』と同じでダラダラ長いだけかも
知らんけど、これに関してはある程度キャラクタに対する感情移入が終盤響いてくる
んで、何かよくわからん人たちだとも一つカタルシスに欠けるというか。
いやそんなたいしたラストでもないんだけれども。

 元から撮ってない可能性もあるんだけれども、予告でみた指輪渡すシーンとか
見る限りけっこう切られた結果が100分弱という回転数の良さげな数字になってるん
じゃないかと。ただそのおかげでさっくり見れた、という感じもあるのも事実。

 でも、もう少しアウトラインがありそうな人たち、特に
主人公ラインじゃない人2名、船の設計士のオッサンと弟に会いに行くために
乗り込んだお姉さんはほぼ居るだけみたいな状態でどうしたもんかと。

 ただカート・ラッセルとジョシュ・ルーカスが居るだけで、なんとなくなんとかなってしまう
B級感が蔓延してるのでわりと安心して見れる。むしろ絵面的に勝手に満足した。
ああカート・ラッセルが大画面に居るだけでいいよなあ、とか。

 あとプロダクション・デザインがなかなか良くて、災害感、特に船内に無機質に死体が
ゴロゴロしている感はちょっと素晴らしい。無論、金がかかってるだけあって転覆する
ところやら水がドバっと来るところやらの迫力はなかなかの超大作感。

 災害アトラクションムービーとしては特に悪いというわけではないんだけど、
予告編が見せる部分以上にキャッチーな要素はあんまない。

(2006 06/21)

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