監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ
 『マッハ!』のスタッフが再び贈る、トニー・ジャー大活劇。

 たぶん前と同じ事書いてると思うんだけど、度を越えたアクション映画てのは
本当にストーリーラインなんてなくても楽しめる。むしろストーリーが凝っていては
逆効果なような気もする。細かい事はいいじゃないか。
だってトニーの動きはこんなに美しいのだから。

 ところどころ画面の隅が謎のソフトフォーカスでも、それも別に構わない。

 トニーだけではなくて、空前絶後のエレファント・チェイスからスピードのおかしい
ボート・チェイス。これタイ映画じゃなかったらちょっとCGかな?ポストプロダクションで
いじってるのかな?とか思うんだけれども、あのフルCGシークエンスの10年前の
DoGAのコンテストみたいな映像見たらそれはないな、と確信出来る。

 VSカポエラ、VS刀使い、VSネイサン・ジョーンズ(李連杰とも闘ってる今もっとも
旬なヒール)ともう魅せる怒涛のムエタイアクション。圧巻はらせん状の塔で前から
来る敵を次々なぎ倒していくのをワンショットで魅せるシークエンス。これはもうトニー
だけじゃなくてスタッフ・キャストの鬼迫を感じた。大げさじゃなく打ち震えた。

 とにかく、今最もアクション・スターと呼べる人間のもっとも素晴らしい時期の
作品をリアルタイムで劇場で実感出来る、それだけで他に何も要らない。

(2006 05/12)

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