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監督:S・S・ウィルソン
 もちろん日本未公開。まあ2以降は全部ビデオムービーなわけで公開されるはずもなく。

 まさにS・S・ウィルソンとブレント・マドックのグラボイズバカ2名&マイケル・グロス

のこのシリーズにかける情熱は異様で、当てられて見続けてるこちらも何か
もう参加しているような気分になってくるシリーズ第4弾。

 前作でだいたいグラボイズの3形態とかやりつくしちゃったもんだから、どうすんだろ、
と大変楽しみにDVDをセットしましたら、英語サブタイトルで一目瞭然。

 "The Legend Begins"

 そう、先に詰まったら前日談。戻っちゃいます、1889年まで。

 如何にしてガンマー家がパーフェクションに根付いたのかが明らかにされるという、
もう誰が知りたいんだそんな事を、と思いながらもコレ見てる時点でみんな思ってるのも
全部狙い通り。いやそういうのがトレマーズだと改めて。

 ただ毎回半笑いで見始めるものの、どうにもやっぱり普通に面白いので
驚いてしまうというか、1作目からスタンスは同じで、素晴らしいタイミングでの
グラボイズ出現というのが何ともグッとくる。

 で、今作は地面から出て歩いたり、またケツから火を吹いてとんだりと変態を重ねた
前2作とは違ってストイックに地面から来る恐怖を描いてるので1作目に近い。
あそこまでの緊迫感はないんだけれども、
まあ作戦立てて一匹づつ仕留めて行く感じとかちょっと胸踊るわけですよ。

  前作も書いたんですが、この作品に対しては観客のニーズを全く感知しない
作り手の作品に対する愛情で溢れていて、それが気持ち悪いものにならず
何故かあまりに清清しく、しかもそれがこの大きなミミズが人をムシャムシャ
たべる内容
で感じられるのがとても素晴らしいことだと信じて疑わないわけです。

(2005 7/15)
監督:エドガー・ライト
イギリス製ゾンビ・コメディ。
インディペンデント作品ながら全米公開時は興収TOP10にランクイン。
またBBCの選ぶ2004年のベスト・ムービーでハリウッド作品を抑えて1位にも。
それでも国内では劇場未公開作品。

 もっとキワモノを想像してたのだけれども、そうではなくて、とても真っ当な
ロメロをはじめとする全ての「ゾンビ」映画に対する愛に溢れた作品だった。

 素晴らしいのはパロディに徹しながらもその話のラインとキャラクターはきっちり抑えて
そして感情を揺さぶる部分の演出がこれまた秀逸。ラストのクイーンの曲まで、全てが
完成された意図の下に構成されている心地良さがこういった作品から感じられるというの
が何か新鮮というか。

  序盤のショーンが如何にダメかの描写のバックで着々と変化する街の状況、
無駄に挿入されるサプライズ演出、音楽的な小ネタ等々盛り込んで、決してテンポが
良いとは言い難い(UK映画独特の緩い空気感てのがきちんとある)ながらも
画面内の情報量が多く気が抜けない。また種々のパロディに反応しつつ、
あーなんだったっけコレという、記憶の引き出しとの戦いがはじまったり。

 ただ、門戸が狭いかというと、そうでもないと。個人的にそんなにゾンビ映画に
造詣が深いわけでもないので、あー、なんかわかんない事言ってるけどまあいいや的
で流しても、十分話の流れに澱みはないので、見れる。

 おおまか「ゾンビ」映画というくくりで観客を限定してしまうにはもったいない作品で、
そのカテゴリーから生まれたにせよ、全く新しい方向性を持っている
一つの作品であるのが素晴らしいと感じた。

(2005/7/15)
監督:ジェフ・トレメイン
MTVの人気番組『Jackass』の映画版。ジョニー・ノックヴィル率いる特攻集団が
とりあえず人がやらないことをたくさんやる映画。

とりあえず輸入版ビデオの感想で、あんま言葉わかってないの前提で。

ていうかこれは国内版出ないだろたぶん。劇場上映とかも。
むしろこれを配給したり上映したりしたらその会社の評価は神に近くなります個人的に。
表現の自由云々をぬかす前にこれを上映してみろ、と。

内容は体を張ったり、一般人に嫌がらせをしたり、ゲロとかウンコです。 
特にゲロに関してはたぶん各映画賞にゲロ部門があれば、総ナメの勢い。
色々なゲロが観れます。ゲロにも色々あるんだなあ、と思います。

他には、東京で突然はだか踊りとか、ワニの上を綱渡りとか、
爺さんの特殊メイクで万引きをして怒られたり、
ケツからミニカーを入れて医者でレントゲンとってもらったりとか
ケツにロケット花火を刺したりと、とてもレベルの違う行動力が爆発。

あと無駄に野郎の裸率が高いので観てて暑苦しい、でもすぐ慣れる。 

個人的にはデパートでバター・ビーンと ボクシングをしたノックスヴィルが
頭を切って病院で何針か縫うぐらいの勢いになって、微妙にヘコんでるのとか
もうちょっとツボに。

ただ、痛いのとかダメなので、紙で色々切るのとかは早送り。
これ劇場だと人によったら拷問だなとか思った。だからこその劇場だったりもするんですが。

もろもろの心の障壁は置いといて、単純におもろい、と思うんですが。
いやむしろ先鋭的ドキュメンタリーとして捉えてみるのが良いかと(無理です)

(2004 06/18)
監督:ブレンド・マドック

1作目から10年以上経ち、ついに3作目にして武装マニアのバートが主役に。
監督は前2作の原作/脚本/製作を勤めてきたブレンド・マドック。言わば生みの親。


前作では、あの素晴らしく巨大なグラボイズさんを何故に大型ニワトリもどきに退化させて
しまうのか、とても個人的に不服だったんですが、今回に繋がるという意味で
あれは全部良かったと言えるほど、この第3作は快作だと感じるわけです。

まずバートがアルゼンチンで、そのグラボイズの進化系であるシュリーカーの
大軍団を全滅させるところから始まるあたりでもうバンザイ。惨殺バンザイ。
なわけですが、そのバートが1の舞台であるパーフェクション(人口5人、1では14人)に
戻って来たらそこはグラボイズ観光の名所、わけのわからんジャックという男が
インチキまがいの「グラボイズ・サファリ」とかを観光客相手に適当に展開しててゲンナリ。

ま、そのユルイ観光プログラムに突如我等がグラボイズさんが本気で出現。
観光客をバックリ。ああ、ステキだ。やっぱりグラボイズさんはステキだ。みたいな。

そっからグラボイズ→シュリーカー、そして最終形態では空を飛ぶ
アスブラスターへとポケモンばりの三段変身を魅せるわけです。
ちなみにアスブラスターが生む卵からグラボイズが生まれます。
役に立つ日はきっと来ないですけど、大変勉強になります。

で、政府の人などが来て「あれかなり貴重な生き物だから捕獲」と50年前から
モンスターパニックでは確実に誤った意見になるでろう提案を強制。
この人たちは予想を裏切らない展開に巻きこまれて、安心。

というわけで最終的にはアスブラスターに空から襲われる&地面の下からグラボイズは
来るわで、ちょっとすげえ展開になりまして、そしてきちんとまとまってます。

んー、なんつか作品に対する愛情みたいなものが良い形で消化されてるなあと。
作ってるほうと見てるほうのベクトルが合致した時に最大限のボルテージが発生
する作品ではあるわけで、それなりに人は選ぶんだけれども、それなりに丁寧に
作られてるので劇場で流しても良いレベルではないかと。

とか言っても、期待を煽るような作品ではないのですが。


(2003 03/17)
監督:ウィリアム・R.ストロンバーグ
2002年2月2日にリリース。この2の並んだめでたい作品、たくさんの罠がありました。

まず
1977年の作品に2002というタイトルをつけたヤツは前に出ろ!
と久々にフォントサイズを変えてしまう程、テンションが上がるファーストつっこみどころ。
ステキステキ。もうだからやめられない。

とりあえずタイトルバックで「凝ってるなあ」と思ったわけですよ。
その一昔前のテイストのフォントとか、文字の出方とか。
別に凝ってたわけでなくて、それが当時のそれなわけで、とか。

U.M.A/レイク・プラシッド』 というワニ映画がタイトルの罠としてありまして、
もう「U.M.A=未確認生物ではなくてワニ
という心の傷がマイハートに刻まれて
おりまして、今回も動物園に行ったら見れるものだったら泣こう、とか思ってた
わけなんですが、ちがいました。

で、別の意味で号泣。
そのモンスターがストップモーションアニメーションで製作されていたあたりが。
1977年の作品なわけでCGなんてほぼ皆無で当然なんですが、
不意にコマ撮りモンスターを見るとやはり胸の奥が熱くなります。

この動きのレベルがまた鬼。なんだコレは、と調べましたら、
まずモンスターの造形がフィル・ティペット。
でアニメートがデイビッド・アレン、ランディ・クック、ジム・ダンフォース、
と今のハリウッドSFXの礎を築いた巨匠達の共演。

それが見れただけでもまあいいや気分。
ストーリーもクソもあったもんじゃなくて、中盤ボンクラ二名のごたごた
を見せられるあたりは間違いなくいらないとかで、基本的にジョーズで終盤ゴジラ。
あと半ばでアル中のオッサンが酒屋で銃ブっぱなしてレジと女性客を射殺する
突然バイオレンスが展開されるあたりが微妙に不条理劇。

なんか文献とか当たると、ほぼ自主映画のような勢いで作った作品らしい。
昔に上映(放映?)された時の邦題もあって『魔の火山湖/蘇った巨大生物の恐怖』
で大変ストレートながらインパクトがあっていいなあ、とか。

というわけでストップモーションモンスターマニアの人は見て置いて損なし。
それ以外の人はほぼ時間の無駄です。

(2003/03/14)
監督:マルチン・シュミット
デンマーク製モンスターホラー。おそらくものすごく低予算。

たとえば、こーいうジャケットがレンタルビデオ屋で視界に入るじゃないですか。

もうね借りるしかないわけですよ。それ以外の道が残されてないわけですよ。
わかってるわけですよ、こんなシーンなんてないことは。
それでも借りなければならないわけですよ。いわゆる永遠の片思い、みたいな
そういう切ない感情みたいなモノなのですよ。

で、この北欧製のペットホラーなわけですが、ゴツい面構えのギャルが2名
見てるこっちが苦痛な色恋沙汰を展開するわけですが、階上の親戚のジジババが
なんかニワトリの首切ったりして、悪魔呼んだりしてるわけですよ。

んで悪魔が猫に乗り移って二”ャッー、みたいな展開だと思うじゃないですか?
違うんですよ、普通なんですよ!猫!
とりあえずしばらく普通。もうこのもっさり感がたまらん。

で、まあ、猫様が気まぐれで人とか襲い始めるんですが、
猫視点→人がうわあ→死んでます。
ということでいわゆるキラートマト方式で、なんか死んでる。みたいな。

でも猫様次々襲うわけでなくて、次の日家でまったり。まあ猫だしねー、みたいな。

そうするウチに主人公のゴツい人が、この猫気持ち悪いから殺してくださいと
獣医に言ったりするあたりで、もうよくわかりません。北欧って残酷とか。
でもちろん猫様ブチ切れですよ、獣医殺して脱走。
けど残念、家でゴツいヒロインにさすまたみたいなので刺されて死にます。

んで、そのゴツいヒロインが猫の心臓食って、あたしが実は悪魔なのよ
キヒーっ!みたいな終わり。

そうですか、みたいな。それはさぞかし大変ですねえ、みたいな。
ただ泣きたくなるような作品。心の底からつまらないと言えます。

えーと、せいぜい猫様の大きさは2メートルぐらいでした。
で実際に動いてたのは10秒ない気もします。

北欧不信になりそうです。

(2003 3/5)
監督:ゲイリー・ジョーンズ
なんかもうワニですよ!みたいな作品、監督は『スパイダーズ』と同じ。
2001年のアメリカ映画。

ああ、しまった!普通によく出来てるじゃん!とかが鑑賞後の正直な印象。
いやだからこそ退屈ではあるんですが。

レンタル屋でジャケット裏にね、ワニヘリを噛み砕いてるスチールがね
載ってあったわけですよ。
借りるしかないじゃないですか。ワニヘリですよ!
セーラー服機関銃みたいな最強の組み合わせなわけですよ。

で、クロコダイル”2”である点には、何の不安も感じなかったんですが、
予想通りどこらへんが続編なのか全く不明でした。
ワニが2匹いたので、そこら辺かなあ。

で、銀行強盗がハイジャックした飛行機が乱気流で、
いたって普通に墜落するんですが、そこにすごいワニが!みたいなストーリーです。

だいたいそれ以上ではなくて、それ以下でもない。それだけの内容。
ただその墜落してからの強盗とかスチュワーデスとか謎の雑学王とかの
変なサバイバルが微妙によく出来てるなあ、とかそんな感じです。

だからワニがあんまり目立たない。時折出てきては、「はい、あなた時間切れ」
みたいな感じで一人一人くわえていくんですが、役者を減らす手段としか
用いられてないのでワニでなくてもいいんです。
なんかとりあえずマンイーターなら代役可。食人族とかでも。

ヘリもきちんと落とすんですが、んー、もっとワニっぽさが全面に出た
映画だとより良かったのでは、とワニのことなんかなんにも知らないのに思います。

最後がどうでもいい悪夢オチ(といっても全体が夢オチなのではなくて)なのが、
"モンスターパニックは最後にもうひと驚かせがないとダメなんだよ"的雛型で、
ちょっとポイント高いんですが。

(2002 6/6)
監督:ピート・アリエル
ついにきた4作目!前作『ヘリ刑事』からの奇跡のタイトル復帰。
英米独の英語吹替え日本語字幕版。もう慣れた。

なんか、もう歌舞伎みたいなモノで、いわゆる一つの型みたいな感じなんですよ。
今回も2話構成で、敵が1話がマフィアで2話が軍を抜けたスナイパー。
もちろん両方ともヘリで倒さないといけないので、なんとしてでもヘリで追います。

このすごいヘリ、AK-1とかいうのは索敵能力とか万能っぽいんですが、
武器が二つしかなくて、一つが波動砲って字幕表示されるんですが、
つってもヤマトの穴から出るやつみたいなのではなくて、
機械を狂わせる電磁波みたいな感じのビームなんです。
これを車に照射して、運転を効かなくして、壁に激突でドーンとか、
ジェットスキーに照射して、運転を効かなくして、倉庫に激突ドーンとか、
いわゆる間接殺人道具です。
んで、もう一つが、ミサイルです。これ、もうわかりやすいぐらいミサイルで
当たったら激しく爆発します。だいたい即死。

どっちにせよ、殺人には変わりがないんですけど、これって警官の仕事なんでしょか。

ミサイルぶつけといて「これじゃ、事情聴取できないな」とか言ってるんですが・・・。
とかいう疑問もさすがに4本目になると、
まあいいや、とか思えるようになってるんですが、これが成長なんでしょうか。

んー、微妙にストーリーとかカットワークとか凝ってる気もするんですが、
気に留めるほどのことでもないので、やっぱヘリさえ飛んでりゃいいのかなあと。

つか、これTVシリーズ全話リリース希望。

見ないけど。

(2002 5/20)
監督:ヨッシー・ウェイン
謎のDVDビデオでーたレーベル第1弾。
最初からB級のこのレーベル、これから要注目。

ジャケがね、タコ自由の女神グワーっなんですよ。
もう借りるしかないっしょ。何故かDVDまで出てるんですが、なんとなく
無駄なメイキングとかを見ると涙が止まらなくなると困るので、ビデオで。

で、始まって原題が出るんですが、『OCTPUS2』です。
前作、見てへんがな!
と、ちょっと嬉しい大問題が発生。

でも、前作を見てなくても全く問題のないストーリーでした。

っていうかむしろ普通によく出来てるのでちょっと寂しいぐらい。
主人公の、いかにもB級モンスターパニックが似合いそうな哀愁漂う
朴訥ハニーフェイスさんはニューヨークの港湾警察なんですが、
「謎の連続殺人がタコの仕業です」と言った途端、まわりの同僚から変人扱い、
あげく上司からも「休暇を取れ」とか言われる始末。

ただ、後半、ホントに大きなタコなわけで、ざまあみろかと言えばそうでもなく
なんとなくそんなのもありかなあ、みたいな柔軟な対応を見せる港湾警察の
みなさんの心の器の広さに感動しました。

肝心のタコなんですが、序盤は足だけの出演でまるで足タレ。
全容をあらわした時はCGでした。よく動いてました。
タコさんはモンスターの自覚に欠けるらしく、あんまり人をバクバク食べたり、
首をもいだりしません。上陸もしません。
ただ、最後のほうは訳もなく実は2匹いたりするのでギリギリ合格点です。

自由の女神には登るんですが、実は登りません。
そこら辺自分の目で確かめる必要もあんまりありません。

非常に玄人向けの作品です。

(2002 3/15)
ヘリ刑事
誰も待っていなかったシリーズ最新作!「ヘリデカ」って読んでね。

たいへんだ!!警察官(コップ)から刑事に出世してるよ!
でも中身はまったくいつもと同じのヘリチーム事件簿純情派。

勝手にタイトル変えるなよっ!アルバトロス!!
『ヘリ刑事』って何の語呂合わせにもなってないし。

で、内容はいつものドイツ製作英語吹替え日本語字幕版です。
冒頭、獄中の放火魔の人が脱獄します。
刑務所内で放火犯にジッポを持ち歩くコトを許可してるあたりで、
どう考えても管理側に問題がある気もしますが。

で、脱走した放火魔はヘリコップチームの女の人に恨みがありました。
あとはご想像の通りのストーリー。
ただ、放火魔の人が火炎放射器をかついで街中追っかけまわすのは
どうかと思いますが。
また、その放火魔をヘリで追うのもどうかと思いますが。

最終的には火炎放射器のエネルギータンクをヘリの波動砲で
虫眼鏡で紙を焼くごとく、チリチリと狙い撃ちにして、犯人を爆死させます。

いいんでしょうか。まあ、いいか。ヘリ刑事だし。

で、テロップ「ヘリチームの新たな戦いはすでに始まっていた」

このあと、またもや前の話とはまったく関係ない話が展開されます。

で、第二話ですが。発行前のユーロの原版を盗んで、
ユーロへの価値を失墜させ、ドルの値打ちを上げて大金持ち、という
1998年の欧州情勢なんかを小粋に反映させたりしてますが、
いかんせん結局それをヘリで追うだけなので、細かいところは割愛します。

今回は敵のすごい妨害で波動砲が使えません。
あげく、また女の人が捕まったりしてもう大変。
でも敵がよくわからない仲間割れをしてくれたので、なんとかなりました。
おわり。

この話の注目する点は中盤に空港で展開される、
全く緊迫感のない銃撃戦です。これはすごい。
銃撃戦を繰り広げる人々ではなく旅行客が次々とゆっくり倒れる。
そして犯人は弾切れで捕まる。

全編こんな感じ。捜査はだいたいヘリ。
次がないことを切に祈りつつ。

(2001 8/9)
親指トムの奇妙な冒険
アートアニメ(イヤなカテゴライズ)とかそんな感じの立体アニメ長編。
監督:デイブ・ボースウィック。アードマンでカメラマンとかやってるらしい。

そのパペットアニメーションがすごいってのはすごいんですけど、
もっとすごいのが人間コマ撮り。
シュワンクマイエル作品にも随所に見られるんですけど、
ちょっとレベルが違う。 普通の動作も全部コマ撮り。人間の動きが全部コマ撮り。
しかもものすごい微妙に動く。これが、今まで見たことない人間の動きを
発生させていて斬新。人でありながら人でない感触が、とても。
ものすごい大変な撮影なんだろうなあ、と。

だけではなくて、全編に不快要素満載。虫が常に画面内に(もちろんコマ撮り)。
それ人間が踏んだり、食べたり。音がクチャ、とかグチュ、とか。
素晴らしいバッドテイストの最深部だと思います。
主人公のトムが宮沢喜一にそっくりなあたりもステキで。

でも個人的にはキャラクターが意外としっかりしてるわりには
各々のモチベーションが半透明なんで、ちょっと腑に落ちないところが
多々あって消化不良。何か意味があるんだろうけど
それが次へとどう繋がってるのかがよくわからない、という感じの。
その部分が意図的だとして、不快、の演出効果だとしたら術中にハマって
るわけですが、そこの部分で気分が悪いのもどうかなあ、と思うんですが。

もしくは個人的な読解力が足りないのかも。
などと、色々考えてしまう作品。爽快感みたいなものに激しく欠けます。

(2001 2/22)
BATS-蝙蝠地獄-
映画秘宝誌において2000年度ビデオ映画ランキング3位。
ちなみに10位は『パイソン』 。

動物ホラーに置いて、一つのジャンルとしての”大多数”モノというのが
あるんです。数は小さいが集まれば脅威、みたいな。『アラクノフォビア』 とか、
『スウォーム』 とか、『大群獣ネズラ』とか、『天と地と』とか、
『101匹わんちゃん大集合』とか。

んでも、だいたい地に足ついたやつが多いんですよ。
なぜかっつーと『鳥』 というヒッチコックの圧倒的な作品がある為、
わりと壁になっちゃってるんではないかと個人的には思うわけです。

で、コウモリを使ったこの作品ですが、非常にヒッチコックを踏襲してよいカタチに
出来上がってます。街を襲うシーンとかはちょっとカッコ良すぎで。
ストーリーは、軍事用に改造したコウモリが逃げちゃったよ大変だよオイ、みたいな
非常に明瞭で簡潔。それでいてきちんと盛り上げて収束していくんで、
何の粗探しも出来んところがツラいところで。

終わり方に非常にB級ホラーに対するが見られます。
『スターシップ・トゥルーパーズ』 では大きな蟲にグサっといかれて
しまったディナ・メイヤーもコウモリをデニス・リチャーズに見立てて(たぶん。似てるし)
ボコボコに してるあたりもステキで楽しめます。

(2001 2/13)


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